長年「曲がっている骨や心が原因かもしれない」と思い込んでいた私。
でも総合診療科を受けたことで、まったく別の答えが見つかりました。
頭の異常かもしれないと思い始めてからは、脳神経の病院を探していましたが、その中で「総合診療科」があるところを見つけたのでした。
以前、漫画を読んでいて知った「総合診療科」。もしこんな科があるのなら私のさまざまな不調も総合的に見てくれるのかな?とぼんやり記憶に残っていました。
通常病院は専門の科に分かれていて、内科で体中が痒いと言っても「皮膚科に行けよ」と言われますし、頭も膝も骨盤も痛いと言えば「頭だけにしてよ」という顔をされます。総合診療科は、特定の臓器や疾患に限定されず、患者さんの多様な健康問題を全人的に捉え、包括的に診断・治療する診療科。一筋の光明が見えた気がしました。
初診での相談内容
総合診療での相談は、まず「言葉が出てこない」ということに絞りました。
加えて、関節痛やストレス、フラッシュバックによる不眠、長年の咳、母から「更年期みたい」と言われてきたことも伝えました。
「ここ一年くらい、言葉が詰まってうまく話せません。仕事上の悩みもありますが、膝痛や骨盤痛、だるさや眠気も強く、そういったストレスも大きいです」
私はそう説明しました。
医師とのやりとり
先生はすぐに私の話を遮って、こう言いました。
「僕はもうね……ここまで聞いて思いつく病気がありますよ」
そして質問が続きました。
- 昔から悪夢をよく見る?
- 金縛りは?
- 肩こりあるね?
- 冷え性?
- 朝起きられない?
- 頭痛や耳鳴りは?
- 胸やけや食後の不快感?
- 下痢と便秘を繰り返す?
私は「あ、はい、あります!」と次々に答えました。
先生は少し間をおいて、こう言いました。
「それね……典型的です。精神症状じゃありません」
「典型的な、甲状腺の症状です。」
診断された病名
その後の検査でわかったのは――無痛性甲状腺炎。
通常は妊娠やストレスなどでも起こる一過性の病気ですが、私の場合は先天的に「甲状腺ホルモンを攻撃する免疫」というのを持っているそうで、症状が表面化したり少し落ち着いたりというのを長年繰り返してきていたというのでした。ここ最近の絶不調は加齢やストレス、更年期が重なってビタミンD欠乏が酷くなっていたからでした。
- 慢性的な甲状腺炎が老化症状や神経症状を引き起こしていた
- ビタミンD欠乏で筋肉・骨が弱くなり、関節痛やだるさにつながっていた
同じような性質を持っている人の特徴で、骨折をしやすい場合があるとおっしゃっていて、私の側弯症もひょっとしたら影響があるのかもしれないと告げられました。
まさかの「黒幕」が、ここに隠れていたのです。
薬とサプリでの変化
診断後、ステロイドとビタミンDサプリを始めました。
すると効果はすぐに現れたのです。
- スタスタ歩けるようになり、夫に置いていかれない
- 横断歩道で走って渡れる
- 手すりなしで階段を上れる、下れる
- しゃがんでもスッと立てる(和式トイレも怖くない!)
- 全身のかゆみもすっと引いた
- 友人と淀みなく会話できる
- 骨盤痛や膝痛が激減
「こ、、、これが普通の体だったのか!」元の体に戻る以上の元気が湧いてきて、これまで感じたことのない解放感に心から感動しました。
とは言っても、ステロイドは長く続けられるお薬ではないそうで、先生が言うには、ひとまず今の苦しさをステロイドで緩和して、これから代わりとなるお薬を探していきましょうとのことでした。
「体が元気だと、ささいなことで腹が立ったり悲しくなったりしないでしょう?」
「甲状腺の人は人とぶつかりやすくて、そのせいで離婚する人も多いんですよ。でもそういう性質ってあなたのせいじゃないんですよ・・・」
これまで自分は、他人に対してささいなことで突っかかったりキツイことを言ってしまったりしてました。そのたびに後悔して、私は本当に心が弱く性格が酷く悪いのだと思ってきました。
先生のそんな言葉に涙が出てきました。
次回予告
側弯症は悪者ではなく、長年私を苦しめていた不調の“黒幕”は甲状腺だった。
次回は、この診断を経て私が感じたこと、そしてこれからどう生きていきたいのかについて書いていきます。
※この記事は私個人の体験をもとにまとめた内容です。ひとつの例として参考にしていただければ幸いです。お体の症状が似ていても、原因はさまざまです。自己判断せずに総合診療科を受けてみてください。

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